複合機からスキャンが飛ばなくなった!よくある原因と対処法
「昨日まで使えていたのに、急に複合機からスキャンデータを送れなくなった」
オフィスでは、このようなトラブルがよく発生します。
スキャンできない原因は複合機本体の故障とは限りません。実際には、パソコンのIPアドレス変更、共有フォルダーの設定、Windowsの更新、パスワード変更など、ネットワークやパソコン側の設定が原因になっているケースが多くあります。
今回は、複合機からパソコンの共有フォルダーへスキャンデータを送る「スキャン to フォルダー」を中心に、主な原因と確認方法をご紹介します。
特に多い原因は、DHCPによるIPアドレスの変更
弊社が実際にお客様先で対応してきた経験では、スキャンが突然飛ばなくなった原因として特に多いのが、パソコンのIPアドレスが変わってしまったケースです。
一般的なオフィスでは、ルーターのDHCP機能によって、それぞれのパソコンへIPアドレスが自動的に割り当てられています。
例えば、複合機の送信先にパソコンのIPアドレス「192.168.1.20」が登録されていたとします。
パソコンやルーターの再起動、機器の入れ替えなどによって、パソコンのIPアドレスが「192.168.1.35」に変わると、複合機は以前の「192.168.1.20」へデータを送ろうとするため、保存先を見つけられなくなります。
メーカーの公式サポートでも、DHCP環境ではパソコンのIPアドレスが変更され、IPアドレスで登録したスキャン先が再び利用できなくなる場合があると案内されています。
パソコンのIPアドレスを確認する方法
Windowsパソコンでは、次の手順で現在のIPアドレスを確認できます。
- 「Windows」キーと「R」キーを同時に押す
- 表示された画面に「cmd」と入力する
- コマンドプロンプトで「ipconfig」と入力する
- 「IPv4 アドレス」の数字を確認する
ここに表示されたIPアドレスと、複合機に登録されている送信先のIPアドレスが異なっていれば、複合機側の登録を現在のアドレスへ変更する必要があります。
ただし、IPアドレスだけを修正しても、DHCPのままでは将来再び変更される可能性があります。
再発を防ぐための対策
IPアドレス変更によるトラブルを防ぐには、主に次の方法があります。
DHCP予約を設定する
ルーター側で、そのパソコンに毎回同じIPアドレスを割り当てる方法です。
「DHCP固定割り当て」「アドレス予約」など、ルーターによって名称が異なります。設定にはパソコンのMACアドレスなどが必要です。
パソコン名で送信先を登録する
IPアドレスではなく、パソコン名を使って送信先を登録する方法もあります。
ただし、ネットワーク環境によってはパソコン名を正しく認識できないことがあります。安定して運用するには、ネットワーク管理者や複合機の販売店へ確認することをおすすめします。
NASへ保存する
複数の社員がスキャンを利用する場合は、特定のパソコンではなく、IPアドレスを固定したNASへ保存する方法もあります。
パソコンの電源状態や担当者の変更に影響されにくく、スキャンデータを社内で共有しやすくなるのがメリットです。
IPアドレス以外に考えられる原因
IPアドレスに問題がなかった場合は、次の項目を順番に確認します。
1.保存先のパソコンが起動していない
複合機からパソコンへ直接送信する設定では、保存先のパソコンが起動していなければ受信できません。
スリープ状態で通信できなくなっている場合もあるため、パソコンを起動した状態で再度試します。
2.複合機とパソコンが同じネットワークに接続されていない
複合機とパソコンが別のルーターやゲスト用Wi-Fiへ接続されていると、互いに通信できないことがあります。
LANケーブルの抜けや、ルーター・ハブの異常も確認してください。
3.共有フォルダーの名前や場所が変わった
複合機には、送信先として次のような情報が登録されています。
- パソコン名またはIPアドレス
- 共有フォルダー名
- フォルダー内の保存先
- ユーザー名
- パスワード
共有フォルダーの名前を変更したり、フォルダーを移動・削除したりすると、複合機から保存先を見つけられなくなります。
4.Windowsのパスワードを変更した
複合機に登録されているユーザー名やパスワードが古いままだと、共有フォルダーへログインできません。
MicrosoftアカウントやWindowsのログインパスワードを変更した後からスキャンできなくなった場合は、複合機側の認証情報も確認しましょう。
5.共有フォルダーのアクセス権が変わった
共有フォルダーには、ネットワーク経由でファイルを書き込むための権限が必要です。
フォルダーを作り直した場合や、ユーザーアカウントを変更した場合は、共有設定とアクセス許可が解除されている可能性があります。
6.ネットワーク探索やファイル共有が無効になった
Windowsの更新やネットワーク設定の変更によって、「ネットワーク探索」や「ファイルとプリンターの共有」が無効になる場合があります。
また、ネットワークの種類が「プライベート」から「パブリック」へ変わり、共有通信が制限されることもあります。Microsoftも、共有できない場合は、同じネットワークへの接続、ネットワーク探索、ファイルとプリンターの共有などを確認するよう案内しています。
7.ファイアウォールやセキュリティソフトに遮断されている
Windows Defender ファイアウォールやセキュリティソフトが、複合機からの通信を遮断している場合があります。
ただし、原因を確認せずにファイアウォールを停止すると、パソコンの安全性が低下します。必要な通信だけを許可する設定を行いましょう。
8.古い複合機とSMBの仕様が合っていない
古い複合機では、現在のWindowsで標準的に使用されていない古いSMB通信を必要とする場合があります。
この場合、安易にWindows側で古いSMB機能を有効にするのではなく、複合機のファームウェア更新や設定変更、機器の更新などを販売店へ相談する方が安全です。
スキャンできないときの確認順序
原因を効率よく見つけるには、次の順番で確認するのがおすすめです。
- 保存先のパソコンが起動しているか
- 複合機とパソコンが同じネットワークに接続されているか
- パソコンのIPアドレスが変わっていないか
- 共有フォルダーが存在するか
- フォルダーの共有・書き込み権限があるか
- ユーザー名やパスワードが変わっていないか
- ネットワーク探索とファイル共有が有効か
- ファイアウォールに遮断されていないか
- 複合機にエラーコードが表示されていないか
複数のパソコンへ送信できない場合は、複合機やルーター、ネットワーク全体に原因がある可能性があります。
一方、特定のパソコンにだけ送信できない場合は、そのパソコンのIPアドレス、共有フォルダー、認証情報を重点的に確認します。
まとめ
複合機からスキャンが飛ばなくなった場合、複合機本体の故障よりも、ネットワークやパソコン側の設定が原因になっていることが少なくありません。
特に多いのが、DHCPによってパソコンのIPアドレスが変わり、複合機に登録された送信先と一致しなくなるケースです。
一時的にIPアドレスを修正するだけでなく、DHCP予約やNASへの保存など、再発しにくい設定にすることも大切です。
フレンドネットワークスでは、複合機のスキャン設定だけでなく、パソコン、NAS、ルーター、UTMを含めた社内ネットワーク全体の確認にも対応しています。


